ウォーターデザイン研究会・久保田昌治のブログ

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塩素とオゾンおよび有機塩素化合物と有機オゾン化合物

塩素(Cl2)もオゾン(O3)も共に強い酸化力を持つ物質であり,その強い酸化力で細菌等を酸化分解して殺菌する。しかし両者の生い立ちは全く異なる。塩化物イオン(Cl-)は海水の誕生時に既に存在していたが塩素は20世紀に入り人工的に作り出されたものである。それに対しオゾンは地球上でシアノバクテリアにより酸素が作り出されオゾン層が出来上がる前から地球上に存在していたものである。このように塩素とオゾンの地球上における歴史が全く異なり、地球上では塩素に比べオゾンの歴史は極めて長いのである。

同じ有機化合物でありながら有機塩素化合物は微生物が食べてくれない。これに対し有機オゾン化合物は微生物が喜んで食べてくれる。この違いは何処から来ているのか?

オゾンは天然物であり、かつ地球上における歴史が長い。これに対し塩素は人工物であり、かつ地球上における歴史が短い。このことから今の地球上で有機オゾン化合物を食べて分解してくれる微生物は育っている。これに対し塩素の歴史が浅いため有機塩素化合物を食べて分解してくれる微生物がまだ地球上で育っていないと考えると説明はできる。しかし問題は塩素が造られて100年近くになるが果たして将来有機塩素化合物を分解する微生物が出現するかどうかである。